全てにおいて生き残ることを最優先に

まだ五月だと言うのに初夏を思わせる暑さですね。
お洗濯物もよく乾きそうですし、
海上付近での訓練にうってつけのお天気です。
高等部でやりましょうかねぇ

「たいちょぉー…訓練訓練って、他に無いのぉ…？ありえないわ…しなびるぅ…」

「そうですねー、この暑さですとアイスキャンディーが美味しく食べられますね」

「それだ。隊長、アイス。今すぐ冷蔵庫からアイス。早くアイス今すぐ」

「はいはい」

机をタンタン叩かないで下さい、採点し辛いじゃないですか。
部屋の冷蔵庫からバジルさんの分と私の分とでアイスを３つ取り出します。
バジルさんに一つ差し上げるとそれは不服そうな顔をしていました。

「ずるい」

「カビゴンですから」

「太れ」

鍛えていますから、今以上の体重にはなりませんよ。
…まぁ、標準よりはすこしありますけれど。種族柄、ですし ね。

換気の為に部屋の大きな窓を空けようとした瞬間、見慣れた形が宙に浮いているのに気がつきました。
手のひらサイズのマルマインの頭にヘリコプターのプロペラをつけた玩具。
一応、他国の最新技術の粋を結集させた物 と彼女 ―いえ彼と言わなければいけないのですが― は言いますが
そのデザインやフォルムからどうしても玩具にしかみえないのですよね。

「ふぅう？ なぁに、そへぇ？」

「口に物を挟んで喋ってはいけませんよ」

これは、手紙に値するもの　とでも言えばいいですかね

『ゴ主人サマカラノ メッセージヲ オ預カリシテイマス。
情報再生ニハ以下ノ金額ガ発生シマスガ再生シマスカ？』

「お、喋った」

「構いませんよ、何時もの口座から引いてください。」

『ゴ利用アリガトウゴザイマ～ス。再生シマス。
〝はぁ～い、いつもご贔屓にぃどうも～

〔パーティまで時間が無いわ、メニューはシチューがいいかしらね。
ビーフじゃなくてホワイトがいいわ。
パーティセットが足りなければ何時でも電話して、勿論後で御代は請求するわ
ピエロの用意は出来た？役者は全員参加みたい、にぎやかね。
寒い日が続くけれどちゃんと暖かくしてお出迎えして頂戴〕

あたしの情報網と新聞屋からのリークもあるから、間違いは無いわ。
電話が無いのを祈ってるわ〟』

「なぁに それ～　暑いわよ、暖かくなんて無理じゃないの」

「いえ、いいんですよ。これで。」

『〝なぁ～お、いつも通りこの再生が終了したら伝令機は爆破されます。
愛を込めて貴女のト〟』

「うわぁ…」

「こうしないと、部屋が散らかって仕方ないんですよ」

本で叩き落して踏みつけた機械の破片を片付けながら、近いのだと、おぼろげに感じました。
ああ、本当に少し訓練に力を入れなければなりませんね。



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ト＠マルマイン♂寄おかま。
声とか名前とかの出現しかしないんで詳しくは障りません。マッドな科学者です。